アフガニスタンの旅 1979年

3月8日

朝、6時半のバスに乗り、カブールに向かう。曇り空だが、景色まあまあ良い。ミニバスで
満員で、窮屈、そして道も悪い。全員が全身ホコリだらけになる。途中、二回休憩があり、
カブールに3時到着。バス代は120アフガン(720円)。前回泊まった「FARYAB HOTEL」
に戻る。昼飯はステーキハウスであのビーフチョウメンを食べ、夕飯はレストラン「イスタン
ブール」でスパゲティを食べる。夕方から雨が降り始めた。


3月9日

朝から霙混じりの雨。郵便局、両替、買い物、大使館、写真屋等に出掛け用事を済ます。
昼飯はライスとスープでうまく、安い。20アフガン。

3月10日

9時半起床、本日は晴天、町の西の方角の山々が真っ白で、輝いている。朝食に久しぶりの
トーストとパン、バター、ジャム、フライドエッグといった物を食べる。25アフガン。動物園
まで歩く。入場料、10アフガン。動物が少なく、見るものがほとんど無い。サルやライオン
カモシカの檻の前で地元の子供や大人までもが動物に石を投げているのに、腹が立った。
1時半頃、町に戻り、豆とイモの皮入り、すっぱいスープを食べる。5アフガン。裏手のバザール
をその後歩く。古靴、古着の類を売る店が沢山ある。カセットショップでアフガニスタンの
楽器のカセットテープ二本を280アフガン(1680円)のところ、6ドル(1200円くらい)で買う。
広場で、少しのぶどうに砂糖を混ぜ水で薄めたようなジュース、1アフガンを飲む。ホテル
の傍で、ホットミルク、バナナ、1.5アフガンを食べた頃から腹が痛くなってきた。ホテル
で休んだ後、7時に夕飯、カブリライスを。猛烈に腹は痛んだが全部食べる。腹に物凄く
ガスが溜まっていたようで、少し休んだら大分良くなった。

3月11日

8時過ぎに起床。朝食はジャムにパン、2アフガン(12円)、ぶとうパン4アフガン、ホットミルク、
8アフガン。博物館までバスで行く。入場料5アフガン。アフガニスタン中の遺跡やガンダーラ仏
彫刻、北の遺跡から出てきたハーレムにあった、象牙のすかし彫りが凄かった。食欲は無かった
がナンとチャイ、スープを飲み、やっぱり体がだるいので、大使館に寄ってから、ホテルに戻る。
日本人の2人の女の子がホテルにいたので、少し話す。11月に日本を出て、インド、ネパールを
周ってきたそうだ。1人一年間で、2000ドルの予算だそうだ。自分はこのアフガンでは、一日平均
5ドルの予算だったが、彼女達は1人平均2ドルだそうだ、たくましいものである。小説を貰ったの
で、自分の持っていた「六ヶ国語会話集」をあげた。夜レストランでステーキを初めて食べた。40
アフガン(240円)だったが、こんなにうまけリャ、もっと前から食べておけば良かった。明日
はパキスタンなのに。なぜだか今晩は日本人が多くて、8人見かける。

3月12日

カイバル

朝7時40分起床、バス停に行き、バスは8時半に出た。昨夜買ったぶどうパンをバスの中で
食べる。バスの右サイドに座ったので、あまり景色に恵まれない。道は良くなく、山を下って行く
。外国人の乗客が多い。ジャララバードで昼食。ハンバーグの薄いものを、ナンでくるんだ物を
食べる。13アフガン。国境でタックス10アフガンを、請求されるが、もうアフガニスタンのお金が
4アフガンしか残ってなかったので、パキスタンルピー、2.5ルピーで、勘弁してもらう。国境通過
にはかなり待たされた。その後、カイバル峠を越える。大きな峠だがあまり高低差が感じられず、
景色もさほど良くなかった。山頂付近には大きな軍隊用の城壁があった。峠を下ると大平原で、木
や緑が多い。カブールから国境付近も緑の多い地帯で、途中川が湖のように広がっている所が
あって緑色ポッい青い水の色が印象的であった。ペシャワールに夕方到着、客引きに連れられて
「レインボーホテル」に行き、そこに決める。ロビーに二年前の「少年マガジン」があった。バケツ
に熱いお湯をもらい、髪と体を久しぶりに洗う。ロビーでイングリッシュティーを飲む。1.25ルピー
(31円)。夜、町に出る。バザールは古く、素朴でいいムード。帽子屋さんの一画があり、欲しい物
があったのだが(8ルピー、200円)荷物になりそうなので止める。カラチで買った腕時計と同じ
物を見つけたので、買う110ルピー。夕食は魚のフライとナン、大根の輪切りの煮た物で4.5
ルピー(110円)。で腹一杯。みかん三個を1ルピーで買い、お茶1.1ルピーも飲む。ガン
ショップが沢山あるので、見て歩く。単発式猟銃が400ルピー(1万円)安い!拳銃やガンベルト
等がお土産やおもちゃではなく、普通に売られている。ホテルに帰り、ロビーでくつろいでいると
ラジオからサンタナのブラックマジックウーマンが聞こえてきて、自分がやっていたロックバンド
の事を思い出した。

終わり。

どうもありがとうございました。

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